ワインは数十年後、どんな風に変化するかを考えながら造る事のできる飲み物です。そんなロングスパンで楽しめるものは、知れば知るほど面白くて、決して難しいものではありません。運よくスペインというヨーロッパでも最も広いワイナリーを持つ国に住んでいるので、長年色々なワイナリーを訪問し、その魅力に最初から虜になりましたが、ワインは時間をかけて深めていく文化だと強く感じています。私なりにワインが面白くなるためのノウハウを、これからシリーズ化してまとめてゆきたいと思いますので、どうぞ一緒に楽しんでください。
オールドワールドそれともニューワールド
ワインは大きくヨーロッパのワインがオールドワールドのもので、新大陸アメリカやオーストラリアのものをニューワールドワインと2つに分類します。どちらも独自のスタイルがあり、香りや味わいにも違いがあるのです。 (因みに、オリーブオイルも同じようにオールド・ニューワールドと分けられています)
オールドワールド=ヨーロッパのワイン
よくヨーロッパのワインは、その酸味で語られますが、とにかくドライ、キレのよさが特徴で、繊細で控えめな味わいを持ちます。ヨーロッパの歴史ある食文化が反映されていると思いますが、デリケートで様々なニュアンスを持ち合わせているようなワインが好きな方は、オールドワールドを好むことでしょう。
大変狭いワイナリーのテロワールを細かく調査して、歴史あるワイナリーは断固としてスタイルを確立しているので、歴史を垣間見ながら楽しむようなワインがオールドワールドの世界です。
※この写真のワイナリーは古いぶどうを完全オーガニック栽培で、大切に守る珍しい小規模ワイナリーの様子。
ニューワールド=アメリカ大陸やオーストラリアのワイン
やはりこの地域の食文化にペアリングしやすい嗜好で造られており、飲みやすくてバニラのような甘さを感じるストレートな表現のワインが、ニューワールドのワインだと思います。複雑さもあまりありません。白の場合は、トロピカルフルーツなど珍しい果実の香りがあるものが多いようです。
まずは、ワインはこんな風に2つに分けられていることを知り、飲み比べていくのが良いと思います。私の場合、オールドワールドばっかりで、日本に行くとニューワールドのものを愉しむチャンスがあります。日本はそういう意味では、素晴らしいワインのラインナップが揃っているので、もっともっとワインを楽しむには最適の場所だと思います。
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