ポルトガルのモザイクタイル

Handmade

タイルと聞くと皆さん陶器のタイルを思い出すと思うのですが、実は19世紀に焼かなくても作れる石の代わりとなるモザイクタイルというものが、フランスで考案され1960年代くらいまでよく利用されていたのです。なぜそれ以降、利用率減少の理由は、もっと安い素材が生まれたからだと想像します。現在製造されているものは、かなり高価な素材として流通しています。

こちらが私が取り扱っているモザイクタイルです。ポルトガルでピンクの大理石パウダーを利用して作ってもらっています。

日本人にとって最も身近なモザイクタイルは、ガウディのモザイクタイルだと思います。ちょうどガウディが活躍した時代に、モザイクタイルは新しい素材として注目を集め、当時活躍していたデザイナーがデザイン担当していたので、素晴らしいものがバルセロナにはたくさん残っています。バレンシアにも優れた生産者がいました。

写真はウィキペディアからcopyright©amadalvarez

このタイル、バルセロナを訪問した人ならば誰もが見覚えがあると思います。パセオ・デ・グラシアは、歩道がこのタイルで敷き詰められていて本当に見事な美しさですが、デザインはガウディのものです。これは立体的な模様になっていますが、カラフルにモザイク状にすると価格が上昇するので、これもガウディがきっと節約して美しい模様で色では表現できない部分をカバーしていると思います。このタイル、バルセロナではギフトとしても今小さいモノが販売されています。そのくらい代表的なモザイクタイルです。

こちらがモザイクタイルの枠。金属製のこのような枠を使ってタイルを製造します。このタイルの魅力は、模様と色合いなので発色が特に重要です。

職人さんが色をミックスして、それぞれの枠に違う色を注入していきます。最初に焼かないタイルだと言いましたが、このタイルの原料は大理石パウダーとセメント、そして色素。それぞれの色を注入し型が出来たタイルに、もう一層セメントの層が埋め込まれ、水圧をかけて固めます。最終的に水中で一定の期間固められ、天日乾燥で仕上げます。天日で乾燥させるというエコな手法が現代でも使われているので、天候に左右されますが、大体30日から40日程度で完成します。

こんな水槽の中に入れて作られます。

最も重要な原材料である大理石パウダーですが、大理石をカットした後に発生する一種のごみである大理石の粉を使っているので、完全にリサイクでサステナブルな素材を利用していることになります。

これが原料の大理石パウダー。彼がアルチザンのショーン。アイルランドからポルトガルに渡り、この素晴らしい素材を作り続けてくれています。タイルの色合いや模様は全て彼の感性によるもので、ピンクのパウダーが世界中にあるモザイクタイルの中でも、一番優しくて品の良い彩を出してくれています。私にとってこれ以上のモザイクタイルは考えられません。スペインのバレンシアのものなども見ているのですが、色がやっぱり違うのです。モロッコ産のものも取り扱った事があるのですが、あまりに納期がイレギュラーで止めました。モロッコにあるベルギーのメーカー用に造られていたモザイクタイルもなかなかのモノでしたが…

幾つか日本での施行例をご紹介します。すべて株式会社FILE様の施行令です。10年来この素材を使いこなして下さっているので、モザイクタイルを住宅や店舗などで使いたいという方は是非お問い合わせしてみてください。

www.file-g.com

バスルームや玄関、通路やキッチンなどにおすすめです。

最後に我が家の様子。

バスルームで使っています。このブルーとグレーの配色に魅了されていまして、長年の夢だったのですが、やっと敷くことが出来ました。これからどんどん色々な部分で我が家の修復工事でも活躍してもらいます。

ショーンとも長いお付き合いになりました。私の欠点は好きな人としか仕事が出来ないところにあるので、取扱い先が少ないと言えば少ないのですが、価値あるものがそんなにゴロゴロしている訳ではないので仕方ありません。心から信頼できるハイクオリティのものだけを、これからも選んでいく予定です。

全てオーダーメイドとなりますので、納品まで日本の場合3か月は時間が必要だと思ってください。お問い合わせはDMでお願いします。

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