サンティアゴ巡礼=カミーノの歴史あるパン Pan de Cea パン・デ・セア

Food Culture 食文化

スペインで最も美味しいパンがある地域がガリシアだと思います。どこに食べに行っても石窯で焼かれた伝統的なパンが登場するので、パンは意識的に食べないようにしないと料理が食べられなくなるくらいです。

巡礼の終点サンティアゴ・デ・コンポステラにかなり近づいたところに、有名なパン・デ・セアという13世紀から記録が残るパンがあります。カンパーニュスタイルのパンですが、EUが保証するD.O.P規制で保護されています。

写真だと大きさがよく分からないかもしれませんが、約1.2kgくらいあり子供の頭2つ分くらいの大きさがあります。生地にワンカットのスリットが入っていて焼き具合は固め。柔らかいパンに慣れている日本人にはビックリの固さです。

パンの裏側の表情も印象的です。石窯でじっくり焼かれたことが分かります。

EUが保証しているD.O.Pシールがこちら。番号入りで一定規定を守って作られたパンは全てコントロールされています。

材料は小麦粉、水、天然酵母と塩だけです。時間をかけて生地を発酵させ、低温長時間石窯で焼かれます。ここまでずっしりと重いパンはあまりありません。

食感はとってもしっかりとしているので、何度も噛む必要があります。トースト1枚がお肉一枚食べたような満足感があり、中世の巡礼者や地域の人々が、このパンを食べながら厳しい労働をしていたことが実感できます。このパンさえあれば相当頑張れると思うのです。写真のようにオリーブオイルをかけても簡単に浸透しません。そのくらいパンのキメが細かいのです。こういうタイプのパンは、ソースや汁のある料理に組み合わせるのにピッタリです。スペイン人はスプーンを使って食べる料理が好きなので、そんな汁ありの一皿に最高のパンだと思いました。お弁当にもきっと理想的です。

追加で今回のガリシア訪問中に食べたパンを幾つかご紹介します。

サンティアゴ・デ・コンポステラのパラドールホテル内のパン。

ライ麦とのミックスの伝統的なパン。これは大西洋海岸地帯で食べましたが、私にとっては一番好みの味でした。

ポンテヴェドラという町の100年以上歴史のあるレストランのパン。ライ麦入りでこちらも毎日食べたいパンでした。今回とうもろこしのパンは登場しなかったのが残念です。

ガリシアのエンパナーダと呼ばれるパイ同様、パンの世界はとても奥深いので行く度に魅了されます。全て食べられないのですが、皆さんもガリシアを訪問するチャンスがあったら是非色々食べ比べてみてください。スペインにお住まいならパン・デ・セアは取り寄せることも可能です。

 

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