世界遺産の町レオン

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スペインの歴史は様々な宗教が入り交じり複雑です。封建社会をヨーロッパで最も早く脱皮したにも関わらず、古い王国のプライドは根強く残っています。

ラテン語でPulchra Leonina「美しいレオン」と呼ばれるレオンの町は、レオン王国の首都でカスティーリャ王国よりもずっと古い歴史を持っています。スペイン各地に残る王家の霊廟の中、ロマネスク様式の宝石箱のような霊廟Basilica de San Isidroは、他にはないミステリアスな個性があり必ず訪問すべき寺院です。

創立は10世紀ですが、現在残る建物は11世紀から12世紀のもの。

ロマネスク建築を愛する人にはこの上なく魅力的な建造物ですが、私のようなローマ時代を敬愛する人にも強くお勧めします。

写真のようにローマ時代に建造された町の要塞に隣接して寺院が建てられており、基盤はローマ神殿であり、後に聖ぺライヨを奉る祀る修道院が現在の寺院になったそうです。

私の背後にあるのが聖イシドロの彫刻。7世紀に実在した聖職者であり多数の著書を残す偉大な人物ですが、11世紀レコンキスタの時代に彼の遺品はセビリヤから取り戻され、サンぺライヨのための教会からサンイシドロを祀る寺院になったそうです。レオンは有名なサンティアゴ巡礼の重要な経由地点ですが、人々の深い信仰を集めた聖イシドロの遺灰をお参りして、サンティアゴに向かうようにデザインされているのです。

この聖櫃は、聖イシドロよりも先に寺院が捧げられていた聖ペライヨの櫃。素晴らしい象牙のプレートに囲まれていますが、本来木の部分はゴールドかシルバーの金属板で覆われていたのですが、ナポレオン軍に重要なスペイン王家の霊廟は全て荒らされているので、こんな状態で残っていることさえ奇跡です。

ヨーロッパの歴史は興味深く、数多くの聖人のストーリーも知らないと理解できない部分が多くあり、調べれば調べるほど感動するストーリーがあり勉強になります。

ロマネスク様式のレオン王家霊廟。言葉にならない美しいフレスコ画に覆われています。ここにはキリストの聖杯も残っており、聖杯をエジプト経由で手に入れたストーリーも近年解明されており、ウラカという王女の存在は知れば知るほど魅了される歴史の一幕です。霊廟建設も彼女の意志によるもので、フレスコがには聖杯も描かれています。

これがキリストが最後の晩餐で使ったと伝わる聖杯で、周りの金細工や宝石は王女ウラカの所有物だったそうです。調査によると聖杯が創られた時代は1世紀、キリストが十字架にかけられた時代と一致しており、益々ロマンを感じるばかりです。興味のある方はCaliz de Dona Urracaで色々検索して調べてください。

スペインにはミステリーハンターには理想的な歴史的な遺品や、ミステリアスなストーリーが山ほどあります。今後も少しづつご紹介していきますので、どうぞお付き合いください。

 

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