オリーブ生産地ハエンのミシュランレストラン

Eating

各地でオリーブの搾油が始っています。私も10月後半は取引先農園訪問が待っていて、どんなオイルが仕上がっているか今年はすごく期待しています。この20年オリーブオイル業界の実態は少しづつ告知されつつありますが、まだまだ一般的には本物のオリーブオイルというものがどういうモノか知られていないと強く思います。この状況は世界一のオリーブ生産地スペインでも同じで、日本だけに限られたことではありません。

そんなハエンが今グルメの地として注目を浴びています。2024年には6軒のレストランがミシュラン入り。全て上質な世界トップレベルのオリーブオイルのおかげだと思います。そのくらいオリーブオイルの存在は大きいのです。

スペインの約半分のオリーブ生産はハエンという県が担っており、ローマ時代から重要なオリーブ生産地帯です。地図の赤い部分がハエン県で、アンダルシア地方の県のひとつです。

9月末に新たにミシュラン入りした「Malak」を訪問しました。

小さなレストランですがコージーな雰囲気で、ハエンでこんな雰囲気が楽しめるなんてプレミアムオリーブオイル市場が世界に広まっている証拠です。

コース料理はまずローカルな味を生かしたタパスの数々。パン粉を使ったコロッケもパイ生地も軽くて美味。ワインのペアリングはコルドバやマラガのワインに、イタリアやフランスのワインが組み合わされていて、シェリーなどの酒精強化ワインに慣れていないとちょっときついかもしれません。

オリーブオイルの他にヤギのお乳を使ったバターも楽しめます。オリーブオイルはハエンの最高級のDominusやMelgarejo、Castillo de Canenaなどが揃っていました。

全ての料理に必ずハエンの伝統料理が含まれています。

きっと登場すると思っていたAndrajoアンドラホ。ハエンを代表する伝統料理で数少ないスペイン料理のパスタ。ローマ時代の名残とも言われていますが、シュウマイの生地のようなものが煮物に入っているのが伝統的なスタイルなのですが、今回は餃子に変身。詰め物が伝統的な味わいのままになっていました。ワインはこのフレンチワインが軽くてとても良かったです。

魚はハエンで養殖されている鱒。とっても美味しい鱒でしたが、独特なのはラードを使ったホワイトソース。あまりに軽くて上品なので驚きました。この鱒はもう一度食べたいと思っています。

どんぐり豚の中でも超一流メーカーJoselitoのポーク。素晴らしい仕上がりでした。

デザートにはオリーブオイルがしっかり使われていました。

シェフJavier Jurado。珍しく私たちは一番最後までレストランに残っていたので、着替えをしたシェフと記念撮影。

益々、ハエングルメが発展することは間違いありません。アンダルシアのオリーブ以外の上質な食材を彼らがもっと洗練した形で楽しませてくれるでしょう。因みに15年来ハエンにはオリーブオイルの仕事で通っていますが、コロナ前くらいから本当に良いシェフが地元に戻ってきて活動を開始しています。他のミシュランレストランもおすすめですが、当分アンダルシアへ行く時は、わざわざハエン経由で行きたいと思うほどホットなスポットです。

Restaurante Malak
Naturaleza gastronómica en pleno centro de Jaén. Una estrella Michelin y un Sol Repsol. La cocina de Malak homenajea la Sierra de Segura por Javier Jurado.

*以前もう一人のミシュランスターシェフとの体験はこちらからどうぞ。

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