オリーブオイルの高騰が引き続き問題になっておりますが、なぜこんな事が何年も続いているのか、わかる範囲で今日は説明させていただきます。
干ばつなどの気候問題も多々ありますが、ウクラ二ア戦争による問題も大きくオリーブ市場に影響しています。イタリアの事情が数字で提示されていたので、それをご紹介します。
イタリアでは戦争や国際的緊張の影響でオリーブ栽培への投資が妨げられ、全体の20%に相当するオリーブの木3000万本が放棄状態だそうです。
エネルギーの直接的・間接的によるオリーブ業界への影響は、肥料が170%、畑で使うディーゼル燃料費129%、ボトルコスト30%、ラベルコスト35%、段ボールが45%、ブリキ缶が60%、プラスチックが最大70%上昇、おまけに電気料は5倍にアップという信じられないような数値で表されています。スペインも似たような状況です。
この結果、オリーブ農家は200%のものコスト増しとなり、10家に1家は赤字で農園閉鎖の危機にさらされています。この数字を知るとオリーブオイルの価格上昇も皆さんご理解いただけると思います。
※データー参照:El mercado japonés de aceite de oliva, crucial para las empresas españolas del sector | Mercacei
30 millones de olivos en riesgo de abandono en Italia. Revista Olimerca.
今こそ地球にやさしいオリーブの栽培が増えるべきと言える時に、ヨーロッパはこんな陰謀とも思えるような状況の中にあり、多くの農園の存続が危うくなっています。毎年植え替えなくても生産が出来る永続的なオリーブは、毎年700万人の都市が排出する二酸化炭素を吸収さえしているのです。人類が作り上げた世界最大の森がオリーブである以上、これから益々オリーブ栽培は増えるはずですが、乗り越えていくべき壁は数多くありそうです。
オリーブオイルは日本で最も人気のある食用油となり、ごま油を超えた人気率を獲得。一人当たりの消費量は年間0.4リットルとまだまだ低いのですが、健康は財産と考える人たちの間では、日に日に使用量は増えていると思います。
個人的にアメリカ市場も観察しているのですが、オリーブオイルは健康食品としても認められ、アメリカ人の食生活を変える油にもなってきています。上質なオリーブオイルの価格は数年前までの価格が低すぎたのかもしれないと思えるくらい、一番搾りの早摘みオリーブオイルには、健康的な成分が豊富でカラダが求めている脂質そのものなのです。これからどのように価格が変動するかわかりませんが、当分の間は上昇傾向ですし、上質なものほど欲しがる人が間違いなく増えていくと思います。
ある雑誌に【健康とお金】というテーマの記事があったのですが、健康のために実施する運動や健やかな食生活は、病気を遠ざけるもっとも有効な投資でもあり、長い目でみると節約です。
これから皆様にオリーブオイル業界の実情をもっと知っていただけるよう記事をアップしていくつもりですが、オリーブオイルの価値が世界中で上がり、気象上の理由で減産のための値上がり、エネルギー問題による値上がりなどがありますが、最もヘルシーなオイルであることは確かです。工夫をして毎日フレッシュなオリーブオイルがスプーン大匙2杯は加熱せずに、自分のためにできるようオイルを確保してください。
コスメとしてスキンケアも出来る優れものです。
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