ヘラクレスとセビーリャ

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セビリャの起源は、ヘラクレスにあると言われています。そんな訳で今回の滞在はアラメダ・デ・エラクレスと呼ばれるセビリャで一番古いローマ時代からあると伝わる広場にしてみました。この広場の近辺には、メスキータだったこと間違いなしの教会が沢山残っていますが、教会や修道院以外に、由緒あるアンダルシア貴族の屋敷もかなり残っています。ちょっと麻薬中毒の人が多いような印象も受けましたが、万博の頃のセビリャよりもずっとよくなっていると思います。
写真がAlameda de Herculesの様子。古代遺跡の香りが残っています。

この広場の周囲には、素敵なCafeやBarが沢山あり、どこへ入ったらいいか迷ってしまうくらいです。私は昔の食料品店Abaceriaと呼ばれるところが、昔のムードをよく残していて特に気にいりました。次回からも出来ればこの地域のAbaceriaを訪れることは定番にしたいと思います。

オイルコースに参加していたので、夕方しか散策する時間はなかったのですが、前々から訪れたかったレブリハス公爵夫人の宮殿は見学してきました。セビリャで有名なお屋敷と言えば、Casa de Pilatosと呼ばれるローマ時代の豪華な彫刻が保存されている夢のようなスペイン名門貴族の屋敷がありますが、今回はローマ時代のモザイクがふんだんに使われている宮殿を訪れたかったのです。

セビリャの町は、ローマ時代、実は別のところにあったのですが、地質の問題で現在の位置に移動されています。その古いローマ時代の遺跡はItalicaと呼ばれSantiponceという小さい町に残っており訪問することが可能です。とても興味深いところなので、こちらもお勧めです。

レブリハス公爵夫人は19世紀Italicaが発見された当時の人物で、考古学の専門家でもありコレクターでもあったので、宮殿には後世セビリャの人経ちが見学できるよう美術品を収集したと言われています。その公爵夫人の希望が実現したのは21世紀に入ってからですが、当時のまま数多くのサロンが保存されており、彼女が愉しんでいた生活空間を体感することができる素晴らしい空間です。モザイク好きにはたまらない所です。

発掘品は数多くのキャビネットに無造作に並べてありますが、現代的な陳列方法よりも当時の様子が想像できていいものです。大きな陶器は、イスラム教徒が作っていた井戸のコレクション。これらの陶器も私は好きなのですが、非常に優れたコレクションで、一見の価値があります。

建物の構造は、Casa de Pilatos同様、王城であったアルカサルのスタイルに非常に似ていますが、こちらの建物の方がローマ時代からの伝統の味を強く残していると思います。アンダルシアの建物のもうひとつの魅力は、Triana地区で作らていた陶器タイル。家のあらゆるところにタイルがふんだんに使われています。これは自分の家でも出来るだけ復元したいと思っているのですが、タイルがあちらこちらに使われていると、とても明るくなり気持ちにもポジティブに影響すると思うのです。
20年以上も前に初めてアンダルシアを訪問した頃は、あまりアラビア建築や明るいタイルなどをインテリアとして使用することは、趣味でなかったのですが、たくさんの建造物を見た結果、最終的にはこのスタイルがとても好きになり虜になりました。面白いものですね。

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